原油パイプライン建設法案、米上院も可決 大統領は拒否権発動か
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【1月30日 AFP】カナダから米国へ原油を運ぶ「キーストーンXLパイプライン(Keystone XL Pipeline)」の建設を承認する法案が29日、米上院で賛成多数で可決された。同法案は共和党が推進し与野党間で議論を呼んでいたもので、バラク・オバマ(Barack Obama)大統領が拒否権の行使を警告している。
カナダ・アルバータ(Alberta)州のオイルサンド(油砂)から抽出した原油を米国のメキシコ湾岸の製油所まで運ぶパイプライン建設をめぐる同法案は、数週間にわたる激しい議論の末、賛成62、反対36で可決された。民主党からも9議員が賛成票を投じた。
今後、同法案は下院で審議にかけられる。下院は同パイプライン建設について既に今月初めに独自の法案を承認しているが、上院で可決された法案を承認するか、上院とのすり合わせで新たな法案を提出するかの選択を迫られることになる。
一方、オバマ大統領が拒否権を行使した場合、これを無効とするには3分の2以上の賛成票が必要となるが、定数100議席の上院で67票の賛成を集めるのは容易ではない。
民主党議員の多くは、パイプラインからの油漏れの懸念や、砂岩からの石油成分抽出に従来の原油と比較して大量のエネルギーと水を要するなど、環境への影響を理由に法案に反対している。(c)AFP/Michael Mathes