ヘビの起源、従来説より7000万年さかのぼる 国際研究
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【1月28日 AFP】これまでに確認されている最古のヘビの祖先が、従来考えられていた時代よりさらに7000万年さかのぼった時代に生息していたとする研究論文が、27日の英科学誌ネイチャー・コミュニケーションズ(Nature Communications)で発表された。国際研究チームによる化石の再調査で判明したという。
これまでの記録では、ヘビは約1億年~9400万年前の白亜紀後期に登場したことが示唆されていた。だが、カナダ・アルバータ大学(University of Alberta)などの国際研究チームが発表した論文によると、ヘビの系統は、実際にはそれよりはるかに歴史が長いという。
同大のマイケル・コールドウェル(Michael Caldwell)教授は、声明で「ヘビと呼ばれる分類グループ内で起きた進化は、これまで考えられていたよりはるかに複雑だ」と語っている。
研究チームは、博物館に収蔵された化石を再調査し、そのなかの最も古いものが1億6700万年~1億4300万年前に生息していた、特定可能な最古のヘビの仲間のものであることを突き止めた。ヘビの頭骨は、発現して以来数百万年に及ぶ種の多様化を通して継承され続けてきた重要な特徴を保持しているという。
ヘビの祖先にあたるこの生物は、1960年代にヘビに関する重要な文献を発表した英自然史博物館(Natural History Museum)の専門家、ガース・アンダーウッド(Garth Underwood)氏にちなんで「エオフィス・アンダーウッディ(Eophis underwoodi)」と命名された。
E・アンダーウッディの断片的な化石は、英オックスフォードシャー(Oxfordshire)州にあるセメント採石場で発見された。
E・アンダーウッディは、ジュラ紀中期に生息していた。この時代は、超大陸パンゲア(Pangaea)がゴンドワナ(Gondwana)とローラシア(Laurasia)と呼ばれる2つの大陸に分裂した、地球の地質学的歴史における重大事象の最終期にあたる。
論文は、E・アンダーウッディの化石とその他3個の古代化石が、ヘビがこの時代までにトカゲの近縁種からすでに分化していたことを示唆していると説明している。その主たる証拠は、頭骨が現在のヘビに至るまでほとんど変化していないことだという。
まだ四肢を持っていたアンダーウッディの頭骨と歯の特徴は、現在のヘビと酷似している。ヘビが持っていた四肢は、生態的地位の生息環境に適応するにつれて、進化的圧力を受けて徐々に退化した。
コールドウェル氏と研究チームは、さらに古い時代にヘビが存在していたかどうかを示す、さらなる化石の発見を期待している。また今回の発見で明らかになった数千万年に及ぶ知識の隙間も埋めたいと考えているという。(c)AFP