地球サイズの惑星公転、観測史上最古の恒星発見 国際チーム
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【1月28日 AFP】地球サイズの惑星5個が公転している、観測史上最古の恒星を発見したとの研究論文が、27日の天文学専門誌「アストロフィジカル・ジャーナル(Astrophysical Journal)」に掲載された。この結果は、惑星が宇宙の歴史を通して形成されてきたことを示唆しているという。
国際天文学者チームが発表した論文によると、この恒星系は、天の川銀河(銀河系)が誕生して間もない頃に形成されたとみられ、その年齢は112億年と考えられるという。
この恒星は、2009年に打ち上げられた米航空宇宙局(NASA)のケプラー(Kepler)宇宙望遠鏡を用いて発見されたことにちなんで「ケプラー444(Kepler-444)」と命名された。
ケプラー444を公転している5個の惑星は、地球よりやや小型で、水星から金星ほどの大きさだという。
これらの惑星は、太陽に似た主星を10日未満の周期で公転しており、公転半径は太陽と地球の距離の10分の1より小さい。このため、これらの惑星は高温すぎて生命の存在には適さない。
だが、天文学者らを驚かせたのは、恒星の年齢そのものだ。
地球から117光年の距離にあるケプラー444は、約45億年前に形成された太陽系より約2.5倍古い。
遠くにある惑星の年齢は「星震学」と呼ばれる天文学の手法を用いて測定できる。星震学では、恒星内部に閉じ込められた音波によって発生する主星の振動を観測する。
内部の音波は、主星の光度に弱い脈動を発生させる。この脈動を分析することで、星の直径、質量、年齢などが算出できる。
論文の共同執筆者の一人、米アイオワ州立大学(Iowa State University)のスティーブ・カワラー(Steve Kawaler)教授(物理学・天文学)によると、ケプラー444は非常に明るい星で、双眼鏡で簡単に見ることができるという。
論文の主執筆者、英バーミンガム大学(University of Birmingham)のティアゴ・カンパンテ(Tiago Campante)氏は「地球サイズの惑星が、宇宙138億年の歴史の大半を通して形成されてきたことが、今回の研究で分かった」と話す。
「これは、銀河系内に古代生命が存在した可能性の余地を与えるかもしれない結果だ」(カンパンテ氏)
(c)AFP