【1月27日 AFP】トルコ国境に近いシリア北部の要衝の町アインアルアラブ(Ain al-Arab、クルド名:コバニ、Kobane)をめぐりイスラム教スンニ派(Sunni)の過激派組織「イスラム国(Islamic StateIS)」との戦闘を続けていたクルド人部隊は26日、同町からイスラム国戦闘員らを撃退し、クルド人部隊の旗を掲げた。同地をめぐり数か月にわたって激しい戦闘を繰り広げてきたイスラム国にとっては大きな痛手となった。 

 非政府組織(NGO)「シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)」によると、クルド人民兵組織の人民防衛部隊(YPG)はコバニからイスラム国の戦闘員を全て撃退し、町を完全に制圧。コバニの東郊に残った一部の戦闘員を追撃しているが、町内での戦闘は発生していないという。

 コバニの攻防戦は4か月以上におよび、1800人近くが死亡していた。

 米中央軍(US Central Command)も、クルド人部隊がコバニの約90%を制圧したと発表。また、YPGのポラト・ジャン(Polat Jan)報道担当はツイッター(Twitter)上で「コバニ解放」を宣言し、コバニを拠点とする活動家も「戦闘は止まった」と語っている。

 一方、隣国のイラクでも、軍高官がイスラム国に掌握されていた東部ディヤラ(Diyala)州を同国軍部隊が「解放した」と発表し、イスラム国との戦闘における勝利が宣言された。(c)AFP/Rita Daou