【1月27日 AFP】ギリシャで25日に投開票された総選挙で歴史的勝利を収めた急進左派連合(SYRIZA)のアレクシス・ツィプラス(Alexis Tsipras)党首(40)が26日、首相に就任した。ツィプラス首相は欧州で初めて反緊縮を掲げる連立政権を率いていくことになり、欧州には衝撃が広がっている。

 ツィプラス氏の急進左派が勝利したことで、ギリシャが外国の債権者らと大規模金融支援の条件の再交渉をめぐって衝突することは必至とみられる。

 急進左派は定数300の議会で149議席を獲得。歳出削減と緊縮策に公然と反対する政党が欧州で初めて政権を取った。

 決まって開襟シャツにノーネクタイというスタイルのツィプラス氏はこの日、同国首相として初めて神に対してではなく市民に対し就任を宣誓。この点でも型破りな姿勢を見せた。

 かつて共産党の青年組織に所属していたツィプラス氏は、「ギリシャ国民の利益のため常に尽力する」と誓い、過去150年間で最年少のギリシャ首相となった。

 過半数にわずか2議席足りなかった急進左派は直ちに、右派の小党である独立ギリシャ人党と協議して連立を樹立した。

 ツィプラス首相にとって最優先の課題は、欧州連合(EU)と国際通貨基金(IMF)による総額2400億ユーロ(約32兆円)という大規模金融支援の条件の再交渉という公約の実現になるだろう。これについて欧州諸国は、概して反対する姿勢を鮮明にしている。

 ギリシャが債務不履行に陥ればユーロ圏から追放されかねないという懸念が改めて広がったことにより、ユーロは対ドルで11年ぶりの安値を更新。同国株はこの日、3%以上下げて取引を終えた。(c)AFP/Guy JACKSON, John HADOULIS