ボブ・ディラン新作、米退職者の一部に無料配布へ
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【1月27日 AFP】米ロック界の重鎮ボブ・ディラン(Bob Dylan、73)が、新作アルバムを一部の高齢者に無料で配布することが、このたび明らかになった。
無料配布されるのは、2月3日に発売される自身36作目のスタジオアルバム「Shadows in the Night(夜の影)」。フランク・シナトラ(Frank Sinatra)のカバーアルバムで、全米退職者協会(American Association of Retired Persons、AARP)の機関誌読者から無作為で選ばれた5万人が配布の対象となるという。同会には、年齢50歳以上の会員3500万人が加入している。
現在も精力的にツアーをこなすディランは同誌のインタビューで、会員たちが新作を楽しんでくれることを望むと述べた。
また「情熱は若者のもの」としながら、年長者はもっと知恵深くならなければいけないとコメント。「つまりある年代になったら、一定の物事は若者に任せろということだ。若者のように振る舞うな。さもなければ痛い思いをすることになる」と語った。
1960年代、既存の体制や主流文化に対するヒッピーたちのカウンターカルチャーを代表する存在でありながら、政治活動に直接関わることはなかったディラン。現在は、雇用を増やすために米国の富裕層はもっとなすべきことがあると主張する。
「政府が雇用を生み出すことはないし、そんな必要もない。民間で雇用を生み出さなければならない。億万長者の連中こそ、それができる」
また「共産主義について話している訳ではない」と強調した上で「都市の中心部では、やることがなくて酒や麻薬におぼれる人を数多く目にするが、彼らのために有能な富裕層が雇用を創出すればいい」と持論を展開した。
一方で、音楽以外の話題を自分に振ってくる人が多いと苦言を呈し、「60年代の頃からそうだった。彼らはまるで医者や精神科、教授たちや政治家に尋ねるような質問をしてくる。なぜわたしにそうした質問をするんだろうか?」と述べた。(c)AFP