【1月26日 AFP】エジプトで、2011年のホスニ・ムバラク(Hosni Mubarak)政権の打倒につながった大規模デモ開始から4年目の記念日を迎えた25日、各地で反政府デモ隊と治安部隊が衝突し、少なくとも15人が死亡した。

 首都カイロ(Cairo)など複数の都市ではこの日、2013年に政権の座から追放されたイスラム組織「ムスリム同胞団(Muslim Brotherhood)」出身のムハンマド・モルシ(Mohamed Morsi)前大統領の支持者らが、元エジプト軍トップのアブデルファタフ・サイード・シシ(Abdel Fattah al-Sisi)大統領に対する抗議行動を呼び掛けており、治安当局が厳戒態勢を敷いていた。

 保健省当局者によると、モルシ氏の支持者を中心とするデモ隊と治安部隊との衝突で、カイロで13人が死亡、地中海(Mediterranean)沿岸のアレクサンドリア(Alexandria)でも1人が死亡した。当局筋によれば、アレクサンドリアで死亡したデモ参加者は、治安部隊に向けて発砲したため射殺されたという。

 この他、イスラム過激派グループやシシ政権に抗議する数百人規模のデモ隊がカイロ中心部で治安部隊と衝突した。内務省によると、モルシ氏支持者が多いカイロ北部の住宅地2か所でデモ隊と治安部隊が衝突。デモ隊側の発砲で治安部隊の1人が死亡、3人が負傷した。

 治安当局者の話では、一連の衝突によりエジプト全土で少なくとも150人が逮捕された。(c)AFP/Jay Deshmukh、Samer al-Atrush