【1月23日 AFP】英政府は22日、昨年9月の住民投票で独立が小差で否決されたスコットランド(Scotland)に、税制関連の権限拡大などより大きな権限を移譲する法案を発表した。

 スコットランドのエディンバラ(Edinburgh)を訪問したデービッド・キャメロン(David Cameron)英首相は、この措置により「スコットランド議会が支出する予算の大半が初めてスコットランドで調達されるようになる」として、スコットランド議会は「世界で最も強力な権限移譲を受けた議会の一つ」となるだろうと述べた。

 提案には、所得税の税率と段階区分を設定する新たな権限が含まれており、税収に占めるスコットランド政府の取り分の増加も見られる予定だ。

 しかし、キャメロン首相とエディンバラで22日に会談したスコットランドのニコラ・スタージョン(Nicola Sturgeon)自治政府首相は、法案は英政府が以前約束した水準に達していない上、スコットランドの利益に深くかかわる自治政府の判断に英政府が拒否権を持ち得ると指摘した。

 法律の制定手続きは今年5月7日の総選挙後に始まる。スタージョン氏が党首を務め、スコットランド独立を掲げているスコットランド民族党(Scottish National PartySNP)は現有の6議席を倍増させる勢いをみせており、仮にキャメロン氏が率いる保守党や野党労働党が議会で圧倒的過半を確保できなければ、スコットランド民族党がキャスチングボートを握る展開も考えられる。(c)AFP