【1月23日 AFP】(一部更新)タイの暫定議会に当たる軍主導の立法会議(220議席)は23日、コメの買い上げ制度をめぐり職務怠慢に問われたインラック・シナワット(Yingluck Shinawatra)前首相に対する弾劾決議案の投票を行い、賛成多数で弾劾が成立した。

 弾劾成立には総議席数の5分の3の賛成が必要だが、賛成票は190票に達した。これにより、インラック氏は5年間にわたって政治活動を禁止されることが決まった。

 一方、検察当局は弾劾決議の数時間前、インラック氏にコメ買い上げ制度に絡んで職務怠慢があったとして、起訴する方針を明らかにした。国家汚職追放委員会(NACC)から提供された証言や証拠を精査し、立件可能と判断したという。有罪なら最長で禁錮10年の刑が科される可能性がある。

 インラック氏はタクシン・シナワット(Thaksin Shinawatra)元首相の妹で、タイ初の女性首相となったが、多額の予算をつぎ込んで自身の支持基盤である農村が潤うコメ担保融資制度を導入。これに抗議する反政府デモが拡大し、政権の座を追われた。

 弾劾成立と起訴により、国内の政治対立がさらに深まる恐れがある。(c)AFP