【1月23日 AFP】南アフリカで2014年に密猟で殺されたサイは1215頭となり、過去最高を記録した。当局が22日に明らかにした。

 この数字は南アのエドナ・モレワ(Edna Molewa)環境相が発表したもので、2013年の1004頭から21%増となっている。

 サイの角は、ベトナムなど、アジアの一部の国々で薬効があるとされ珍重されており、粉末の角はがんの治療に有効だといった科学的には真実ではない宣伝により、1キロあたり約1000ドル(約12万円)の高値で売買されている。

 野生動物の取引を監視するNGO「トラフィック(TRAFFIC)」によると、毎日約3頭が殺された計算となり、過去100年近くのうち、南アのサイの生息数が初めて減少する恐れがあるとしている。サイは南アと国境を接するナミビアやモザンビークでも密猟されている。

 サイを絶滅から救うため、南アでは昨年、100頭以上のサイが隣国を含む「安全な場所」に移された。サイの角の販売を合法化すべきかどうかの論争が起きているが、自然保護活動家たちと地域の各国政府の意見は分かれている。

 国際的には、サイの角の売買は、「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約」(ワシントン条約、Convention on International Trade in Endangered Species of Wild Fauna and FloraCITES)によって1977年から禁止されている。(c)AFP/Stephanie FINDLAY