イタリア警察、盗掘古美術品5000点超を押収 62億円相当
このニュースをシェア
【1月22日 AFP】イタリア政府は21日、同国とスイスにまたがって暗躍していた美術品の密売組織を摘発し、古美術品5000点あまりを押収したと発表した。伊警察によると、押収品は総額4500万ユーロ(約62億円)相当の価値があるという。
ダリオ・フランチェスキー二(Dario Franceschini)文化相は、盗難に遭った古美術品の発見としては「過去最大」の規模だと述べた。押収されたのは、つぼや宝飾品、フレスコ画、銅像など5361点で、制作年代は全て紀元前8世紀~西暦300年。国内各地で盗掘された品々で、同文化相は「発見された場所に返還する」と記者団に説明した。
押収品は、スイスに美術ギャラリーを所有するイタリア人美術商ジャンフランコ・ベッキーナ(Gianfranco Becchina)容疑者と、スイス人の妻に対する捜査がきっかけで見つかった。スイス警察当局との合同捜査で、両国にまたがる高度に組織化された密輸ネットワークの存在が判明。スイス・バーゼル(Basel)にある複数の倉庫に強制捜査が入り、ベッキーナ容疑者は伊警察に、妻はスイス警察に身柄を拘束された。
伊警察によると、盗品はスイスに送られて修復を施され、偽造証明書を添付してドイツや英国、米国、日本、オーストラリアなど世界各地で売却されていた。(c)AFP