【1月22日 AFP】ノルウェーは21日、牛海綿状脳症(狂牛病、BSE)である「可能性の高い」症例を検出したと発表した。だが1990年代に英国で流行した変異株とは種類が異なる可能性があるため、消費者にパニックを起こさないよう呼び掛けている。

 ノルウェーの獣医学研究施設「Norwegian Veterinary Institute」は、15歳の雌ウシに対する狂牛病検査で2回目の陽性反応が出たことで、このウシが狂牛病に感染している疑いが強まったと発表した。

 ノルウェー食品安全局(Norwegian Food Safety Authority)のBjoern Roethe Knudtsen氏は、同国の公共放送局NRKに「狂牛病の変異株である可能性が強く疑われている」と語った。

 だが、肉類を原料に含む飼料を食べたウシが発症する種類の狂牛病と、近年に欧州数か国で高齢のウシに散発的に発生している非定型の狂牛病との間には明確な違いがあると当局は指摘している。肉類を含む飼料は、英国での狂牛病流行を受けて2001年以降は使用禁止となっている。

 確定診断は、英国にある欧州参照試験所でしか実施できない。

 食品安全局のソルフリド・アームダル(Solfrid Aamdal)氏は、声明で「今回の事態を重く受け止め、疑いが確定に変わる場合を想定して対処する」との意向を示した。

 欧州では非定型の狂牛病の症例が「ますます多く」なっており、牛肉と牛乳は今まで通り安全に消費できると同局は強調している。

 感染が疑われたウシの死骸は、同国中西部にある牧場から運び出され処理された。また同じ牧場で飼育されている他のウシに影響がでないよう安全対策が施された。(c)AFP