独の反イスラム団体、「ヒトラー写真」めぐり代表が辞任
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【1月22日 AFP】(一部更新)ドイツ東部ドレスデン(Dresden)で「反イスラム」デモを率いていた右派のポピュリスト団体「西洋のイスラム化に反対する愛国的欧州人(Patriotic Europeans Against the Islamisation of the Occident、PEGIDA)」の代表が21日、ナチス・ドイツの独裁者アドルフ・ヒトラー(Adolf Hitler)の顔まねをした写真が流出したことに加え、フェイスブック(Facebook)上での人種差別的な発言が明らかになったことを受け、辞任を表明した。
同団体の創始者であるルッツ・バッハマン(Lutz Bachmann)氏がヒトラーのような髪形をして口ひげをたくわえた姿で写る写真は、21日にその存在が明らかになると抗議の嵐を巻き起こし、同団体が過激主義的な傾向を持っているのではとの疑問の声が再び上がっていた。
同団体によると、この写真はバッハマン氏が昨年9月に自身のフェイスブックのページに投稿したものだった。また報道によると、過去にバッハマン氏の名前でフェイスブックに投稿されたコメントには、難民たちを「けだもの」「汚物」などと呼ぶ言葉が並んでいたという。
バッハマン氏はフェイスブック上で支持者らに向け、「私の投稿によって攻撃を受けたと感じたすべての人々に謝罪します」「今の私だったら決してしないような軽率な発言でした。これらの発言で私たちの運動が傷ついたことを謝罪し、しかるべき行動を取ります」と投稿した。
ドレスデンの検察当局は、バッハマン氏を民衆扇動罪で訴追するかどうか判断するため、調査を行っている。
バッハマン氏は19日に初めて行った記者会見で、PEGIDAが主催した集会に参加していた極右勢力やネオナチとは距離を置くとともに、同団体の支持者たちの大半は現代の政治に愛想を尽かした一般の市民だと主張していた。
ナチスが支配した過去に悩まされ続けるドイツは、自国の歴史を受け入けるための努力を払ってきたことを誇る一方で、第2次世界大戦(World War II)の終戦後に確立を目指して奮闘してきた価値観や国際的地位を脅かす恐れがあるものには敏感だ。(c)AFP