【1月21日 AFP】先月乗客乗員162人を乗せてジャワ海(Java Sea)に墜落したエアアジア(AirAsiaQZ8501便は、急激に高度を上げ、その後失速したと、インドネシア運輸相が20日明らかにした。

 インドネシアのスラバヤ(Surabaya)を出発してシンガポールに向かう近距離フライトの予定だった同機は先月28日、嵐の中を飛行していたさなかに消息を絶った。

 インドネシア気象庁は先に、悪天候が墜落の原因になった可能性があると発表。捜査当局は、一次報告書の公開に先立ち、同機のブラックボックスから得られたデータの解析を進めている。

 同機の機影がレーダーから消える直前、機長は管制に対し嵐を避けるため上昇する許可を求めていた。しかし同域で他の複数の航空機も飛行中だったため、すぐには許可が得られなかったとされている。

 イグナシウス・ジョナン(Ignasius Jonan)運輸相は記者会見で、レーダーのデータを引用しながら「最後の数分間に、同機は通常よりも高速で高度を上げた」と説明し、「同機が出せる通常時の最高速度を超えるスピードで急上昇し、その後失速した」ことを明らかにした。

 ジョナン運輸相の会見の前には、インドネシア国家運輸安全委員会(NTSC)が、ボイスレコーダー(音声記録装置)の一時的な解析に基づき、テロの可能性は排除し、人為ミスか機体の何らかの不具合が事故を引き起こしたとする見解を発表していた。同時に同委員会は、機体の主な部分の全ての動きを記録しているフライトレコーダー(飛行記録装置)に残っているデータについても分析を行っている。一次報告書は今月28日に公表される予定。(c)AFP/Olivia Rondonuwu