【1月19日 AFP】世界人口の1%にあたる富裕層が持つ富は、2016年には残りの人口の99%が持つ富の合計を上回り、世界全体の富の半分を上回るとする報告を19日、国際NGOオックスファム(Oxfam)が発表した。

 世界の政財界の有力者が一堂に会する世界経済フォーラム(WEF)の年次総会(ダボス会議)が21日から開幕するのを前に、共同議長を務めるオックスファムのウィニー・ビヤニマ(Winnie Byanyima)氏は「世界的な不均衡の規模は極めて衝撃的としか言えず、世界的議題として持ち上がっているにもかかわらず、富裕層とそれ以外の格差は急速に広がっている」と語った。ビヤニマ氏は、世界の指導者たちに「もっと公平でもっと繁栄した世界への妨げになっている既得権益に挑戦する」ことを呼び掛けている。

 世界人口の1%にあたる富裕層が持つ富は、09年には世界全体の富の44%だったが、14年には48%となり、16年には50%を超えるようになると、オックスファムは報告している。金額換算した富裕層の成人1人当たりの平均資産は270万ドル(約3億1600万円)だという。

 また14年時点で世界の富全体のうち、富裕層が持つ48%を除いた52%の中で、46%までを占めているのは、富裕層以外の人口の中でも比較的裕福な5分の1だという。つまり残り5.5%の富を、富裕層でも比較的裕福な層でもないそれ以外の5分の4で分かち合っており、この層の資産は金額換算で成人1人当たり平均3851ドル(約45万円)でしかない。

 オックスファムは、より公平な富の分配を実現するためとして、各国に脱税対策や公共サービスの向上、労働者ではなく資本への課税、最低限の生活を保障する生活給の導入といった措置を求めている。(c)AFP