【1月19日 AFP】ミス・ユニバース(Miss Universe)の出場者たちは世界平和への願いを熱心に訴えるものだが、本年度のレバノン代表は、呼ばれてもいないのに「セルフィー(自分撮り)」のグループ写真に割り込んだとして、イスラエル代表に宣戦布告をした。

 レバノン代表のサリー・ジュレージュ(Saly Greige)さんは、交流サイトのフェイスブック(Facebook)上での投稿で、写真撮影中にイスラエル代表のドロン・マタロン(Doron Matalon)さんが割り込んできたと主張している。

 現在ネット上で広く拡散している問題の写真は、同じ中東地域からの代表である2人が、日本代表とスロベニア代表と共に写っているもの。決勝大会の舞台となる米マイアミ(Miami)で撮影され、写真共有サービス「インスタグラム(Instagram)」のマタロンさんのアカウントに1月11日付で投稿された。イスラエル代表と晴れやかな笑顔のスロベニア代表と日本代表と共に写ったジュレージュさんは、歯を食いしばっているようにも見える。

 イスラエルは2000年までの22年間にわたりレバノンの国土の一部を占領していた。両国は厳密には現在も戦争状態にあり、国連(UN)が指定した撤退ライン沿いではしばしば、両国の軍隊による小規模な衝突が発生している。

 レバノンのメディアは今回の騒動を取り上げ、マタロンさんが自分撮り写真に割り込んだと非難するジュレージュさんの主張を紹介。ソーシャルメディア上では、ジュレージュさんを擁護する声と非難する声の双方が飛び交った。

 ジュレージュさんは自身のフェイスブックページへの投稿で、「ミス・ユニバースへの参加初日から、イスラエル代表との言葉のやりとりや写真撮影などを避けるよう気を付けていた(彼女は私と一緒に何度か写真を撮ろうとした)」「日本代表とスロベニア代表と一緒に写真を撮ろうとしていたら、突然イスラエル代表が割り込んできてセルフィーを撮り、自分のソーシャルメディア上に掲載した」と英語で書き込んだ。

 一方のマタロンさんも18日、この騒動について「悲しい」とのコメントを発表。英語とヘブライ語で、「驚いてはいないけど、悲しい。敵意を大会に持ち込まないようにすることができないことは残念」と書き込んだ。(c)AFP