スリランカ航空、前大統領の地元にある国際空港の路線を廃止へ
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【1月18日 AFP】スリランカの国営スリランカ航空(Sri Lankan Airlines)は17日、今月8日に行われた大統領選で落選したマヒンダ・ラジャパクサ(Mahinda Rajapaksa)前大統領の名を冠した同国第2の国際空港、マッタラ・ラジャパクサ国際空港(Mattala Rajapaksa International Airport)を発着する全ての路線を廃止する方針を発表した。
同社によると、ラジャパクサ氏の地元選挙区であるハンバントタ(Hambantota)に建設された同空港を発着する全ての路線は巨額の赤字を出しており、多額の負債を抱える同社にとって大きな負担になっている。マイトリパラ・シリセナ(Maithripala Sirisena)新大統領の就任後に刷新された同社の経営陣が、同空港を発着する路線を含む不採算路線の廃止を決断した。
スリランカ航空の声明によれば、現在6億5000万ドル(約760億円)近い負債を抱える同社はこれにより、年間純利益をおよそ1800万ドル(約21億円)増やすことができる。
ラジャパクサ前大統領の肝煎りだった同空港は2013年3月に開港。同国南東部の新たな玄関口として経済の新たな中心となることが期待されていた。しかし、前政権が議会で明らかにしたところによれば、同空港の昨年5月の収入は1万6000スリランカ・ルピー(約1万5000円)にとどまり、街角の食料品店さえ下回る状況だった。
外国の航空会社で同空港に乗り入れたのは、いずれも格安航空会社のアラブ首長国連邦ドバイ(Dubai)のフライドバイ(Fly Dubai)と同アブダビ(Abu Dhabi)のロタナ・ジェット(Rotana Jet)のみだったが、両社とも昨年、同空港に乗り入れる路線を廃止している。
ラジャパクサ空港は中国輸出入銀行(Export-Import Bank of China)からの融資を受け、およそ2億600万ドル(約240億円)の費用をかけて建設された。不要なインフラを整備したと批判されていたラジャパクサ政権による汚職や税金の無駄遣いは、大統領選の争点の1つになっていた。(c)AFP