仏芸人、「テロ擁護」発言で裁判へ
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【1月15日 AFP】フランスの男性コメディアンで、その言動がたびたび物議を醸してきたデュードネ(Dieudonne)氏が14日、パリ(Paris)で先週に起きた一連の襲撃事件の実行犯の1人への共感を示唆した発言をめぐり身柄を拘束され、裁判にかけられる見通しとなった。司法筋が明らかにした。
仏当局は、先週の風刺週刊紙シャルリー・エブド(Charlie Hebdo)本社襲撃事件以降、「テロを擁護」したり「テロ実行の脅迫」をしたりしたとされる計54件の事件の捜査を開始しており、デュードネ氏の身柄拘束もこの一環だ。
問題の発言は、デュードネ氏が交流サイト(SNS)のフェイスブック(Facebook)に投稿した「今夜はシャルリー・クリバリのような気分だ」というもの。シャルリー・エブド紙襲撃事件の犠牲者を追悼するために世界中に広まった「私はシャルリー」とのスローガンと、8~9日にかけて女性警官1人とユダヤ人4人を射殺したアメディ・クリバリ(Amedy Coulibaly)容疑者の名前を組み合わせている。
ソーシャルメディア上では、「デュードネ氏の言動は我慢がならないが、フランスでは表現の自由に二重基準が設けられているようだ」といった批判の声も上がっている。だが、メディア法専門家は、宗教を揶揄(やゆ)することはフランスでは禁じられていない一方で、テロを擁護する行為は他の事件を誘発するという理由で禁じられていると指摘している。(c)AFP/Marianne BARRIAUX