【1月14日AFP】タイで日本人男性が多数の子どもを代理出産させていたとみられる問題で、昨年現地当局に保護された乳幼児9人の代理母となったタイ人女性たちが、子どもの親権を求めて訴え出た。当局が14日、発表した。

 この問題は昨年8月にバンコク(Bangkok)のマンションで乳幼児9人が見つかり発覚したが、この日本人男性はその後、タイを出国している。男性はDNA鑑定の結果、タイ国内で代理出産により生まれた少なくとも15人の子どもの生物学的父親であることが分かっているが、多くの子どもを代理出産させた動機は分かっていない。

 子どもたちのうち乳児9人は現在、タイの社会福祉当局の保護下にあり、代理母たちも定期的な訪問を許されている。今回、子どもを手元に取り戻そうと民事訴訟を起こしたのは代理母6人。警察によれば、この女性たちは代理母となるにあたり、それぞれ約1万2500ドル(約150万円)の報酬を支払われたという。

 家庭裁判所に訴え出た女性たちは、当局の乳幼児たちへの対応が適切でなかったと主張しているが、当局側はこの訴えを否定している。今回の裁判の過程では、代理母たちの養育能力や子どもにとって安全な家庭環境を証明することも含まれる。(c)AFP