【1月14日 AFP】新興5か国「BRICS」の一角として成長が期待される南アフリカでは、発電施設の老朽化によって発電能力が低下し、企業の生産活動や経済全体が大きな打撃を受けている。計画停電も行われており、一部のアナリストらは、これが今後数年にわたって続くと予想している。

 南アフリカ統計局(Statistics South Africa)のデータによると、南アの電力需要の95%を供給する国営電力会社エスコム(Eskom)では、2014年1~11月の発電量が前年同期に比べ1.4%減少した。

 エスコムは2014年11月、燃料となる石炭の貯蔵施設が大雨で水浸しになる事態に見舞われ、全国規模の計画停電を実施した。12月には停電がさらに拡大し、同国経済の中心地、ヨハネスブルク(Johannesburg)にも波及した。

 エスコムは、こうした状況が最低でも3月まで続くと見込んでいる。しかしアナリストらの間には、2年後に新たな発電施設が稼働するまで、この状況は変化しないとの考えもある。

 南アの14年の経済成長率は1.4%の見込み。15年は回復するとみられているが、電力不足の影響が経済成長の足かせとなり、2.5%にとどまると予想されている。

 エスコムは新たな発電所の建設を2月に延期。着工はこれまでに何度も延期されており、これが電力不足をさらに深刻化させている。建設が予定されているのは石炭火力発電所3施設で、現在の発電容量4000万キロワットに1700万キロワット上乗せする計画となっている。また南ア政府は、500億ドル(約5兆9000万円)を投じて原子炉8基を新たに建設し、発電容量を960万ワット増やす計画も発表している。(c)AFP/Stephanie FINDLAY