【1月12日 AFP】仏パリ(Paris)で女性警察官を射殺し、同市内の食料品店に人質を取って立てこもった末に警察に殺害されたアメディ・クリバリ(Amedy Coulibaly)容疑者(32)に似た男を写した動画が11日、インターネット上に投稿された。男はこの中で、イスラム教スンニ派(Sunni)過激組織「イスラム国(Islamic StateIS)」のメンバーであると主張している。

 男は、7日の風刺週刊紙シャルリー・エブド(Charlie Hebdo)本社襲撃事件で12人を殺害したサイド・クアシ(Said Kouachi)容疑者(34)と弟のシェリフ・クアシ(Cherif Kouachi)容疑者(32)と連携を取っていたと、カメラに向けて述べている。

 男はさらに「私が第一に話しかけているのは、イスラム教徒たちのカリフである(イスラム国の最高指導者)アブバクル・バグダディ(Abu Bakr al-Baghdadi)師だ」と語った。カリフとは、イスラム教の預言者ムハンマドの後継者で、イスラム共同体を率いる人物を指す言葉。男はさらに片言のアラビア語で、「私はカリフへの忠誠を宣言した」と述べている。

 動画冒頭に流される文章は、男をクリバリ容疑者として紹介した上で、8日にパリ南部で起きた女性警官殺害事件と、翌9日に同市東部ポルトドバンセンヌ(Porte de Vincennes)のユダヤ系食料品店で起きた立てこもり事件の他、同じく同市で起きた自動車爆破事件の犯人だとしている。当局はこれまで、一連の襲撃事件と自動車爆破事件が関連したものだとの見方は示していなかった。

 男は「われわれの仲間である兄弟が、シャルリー・エブド(襲撃)を実行した」「また私は、より大きな影響を与えるため、警察に対しちょっとした攻撃を仕掛けた。われわれは、連携して同時に行動することに成功した」「われわれの行為は、彼らが行ったことに鑑みれば、完全に正当なものだ。カリフを攻撃すれば、われわれは反撃する」と述べている。(c)AFP