スリランカ新大統領が就任、国際社会との関係回復を誓う
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【1月10日 AFP】(一部更新)スリランカで9日、マイトリパラ・シリセナ(Maithripala Sirisena)新大統領の就任式が開催された。8日に行われた大統領選で再選するとみられていたマヒンダ・ラジャパクサ(Mahinda Rajapakse)前大統領は、汚職や権威主義的な姿勢を批判されて衝撃的な敗北を喫した。
シリセナ新大統領の就任式は、ラジャパクサ前大統領が、スリランカ国民の決断を尊重すると発言し落選を認めた数時間後に行われた。過去10年間大統領の座に君臨したラジャパクサ氏の再選を阻止するため、多くの国民が投票所に足を運んだ。
ラジャパクサ前大統領の任期中には、同国の内戦中に軍による人権侵害があったとする欧米諸国との関係が悪化したが、シリセナ新大統領はスリランカと国際社会との関係修復を図る方針を強調した。
ラジャパクサ前大統領は中国と密接な関係を築き、中国は地域大国インドの影響力に対抗するためスリランカに大規模な投資をしてきた。中国政府は9日、スリランカの新指導部が同国内で行われている中国の各種プロジェクトに影響を与えるのではないかという懸念は大きくはないという姿勢を示した。
壊滅しかけていた野党を統一して立候補し、大統領選挙に勝利した前保健相のシリセナ新大統領は、ラジャパクサ前大統領に対し、「公正な選挙を行って、私の大統領就任への道を開いた」と感謝の意を示した。就任式が行われた主要都市コロンボ(Colombo)では新大統領の誕生を祝う爆竹の音が響いた。
シリセナ新大統領は51.28%の得票率で大統領選に勝利した。いっぽう、昨年11月に再選を確信して議会を解散したラジャパクサ前大統領の得票率は47.58%にとどまった。(c)AFP/Amal Jayasinghe