イスラム国戦闘員との親交も… 仏紙襲撃容疑者、過激派関与の過去
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【1月9日 AFP】フランス・パリ(Paris)の風刺週刊紙シャルリー・エブド(Charlie Hebdo)本社を襲撃したとされるシェリフ・クアシ(Cherif Kouachi)容疑者(32)は、長年にわたりイスラム武装勢力に関与し、イスラム教スンニ派(Sunni)の過激派組織「イスラム国(Islamic State、IS)」の主要メンバーの一人と親交があったことが知られていたが、それでも仏情報機関の警戒網をくぐりぬけることができた。
同容疑者は7日、兄のサイド・クアシ(Said Kouachi)容疑者(34)と共にシャルリー・エブド紙本社を襲い、12人を殺害した疑いがもたれている。
アルジェリア人の両親の元に生まれ、幼少時に孤児となったクアシ兄弟は、事件現場からそう遠くないパリ東部で育った。兄のサイド容疑者や、共犯者の疑いをもたれ出頭したムラド・ハミド(Mourad Hamyd)容疑者(18)についての情報はほとんど公にされていない。
だが、弟のシェリフ容疑者が持つイスラム過激派ネットワーク関与の過去は詳細に記録されていた。同容疑者の過激派とのつながりは、「ビュット・ショーモン(Buttes-Chaumont)」と呼ばれるネットワークの一員だった10年以上前にさかのぼる。
所属する若いイスラム過激派メンバーらが住んでいたパリ19区にある公園にちなんで名付けられたこのグループは、米国がイラクへの軍事介入を積極的に行っていた時期に、米軍と戦う国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)への参加を目指す人々のイラク渡航を支援していた。「アブ・イサン(Abu Issan)」の別名でも呼ばれていたシェリフ容疑者は、仏警察によって同グループが解体された時にはまだ22歳だった。
シェリフ容疑者は2005年、イラクでの戦闘に合流するためシリアに渡航する直前に逮捕された。逮捕直後に米地方紙ピッツバーグ・トリビューン(Pittsburgh Tribune)に掲載されたインタビューで、シェリフ容疑者の弁護人のバンサン・オリビエ(Vincent Ollivier)氏は、当時22歳だった同容疑者について、特に信心深い人物ではなかったと述べている。容疑者は「酒を飲み、マリフアナを吸い、ガールフレンドと性的関係を持ち、ピザの宅配で生計を立てていた」という。