パリ新聞社襲撃、生存者が目にした「戦慄の光景」
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【1月9日 AFP】覆面姿の男が、仏風刺週刊紙シャルリー・エブド(Charlie Hebdo)の編集会議に乱入し、「アッラー・アクバル」(アラビア語で神は偉大なりの意)と叫びながら銃を乱射した時、ジャーナリストのローラン・レジェ(Laurent Leger)氏はとっさに部屋の隅のテーブルに身を隠し、現場で繰り広げられる惨劇を目の当たりにした。
事件を生き延びた数少ない人々の一人となったレジェ氏が仏ラジオ局フランス・アンフォ(France Info)に語ったところによると、毎週定例の編集会議を切り上げようとしていた時、外で「花火」のような音が聞こえ、全身黒ずくめで覆面をした男が入ってきた。男は両手に武器を携えており、特殊部隊員のように見えたという。
男は「シャルブ(Charb)!」と叫んでいた。シャルブとはシャルリー・エブドの編集長で漫画家のステファヌ・シャルボニエ(Stephane Charbonnier)氏のペンネーム。同氏には、シャルリー・エブド紙が掲載したイスラム教の風刺画を理由に殺害予告の脅迫を受けたことから、警察の警護がつけられていた。
「銃撃が始まり火薬のにおいがした...とっさにテーブルの後ろに飛びのいたので男には私が見えなかった...数秒のうちにみんな床に倒れていた」とレジェ氏。男は銃を無差別に乱射したという。
シャルリー・エブドの編集チームは「冗談好き」な人たちだったので、これも何かのいたずらかもしれないと思った。だが即座に現実がレジェ氏を襲った。鋭い火薬のにおいが鼻をつき、同僚たちが次々と床に崩れ落ちていく。
なすすべもなく、レジェ氏は息を殺してテーブルの陰に身を潜めていた。「倒れていく仲間たちが見え、絶え間ない爆発音が聞こえた。突然、何の音もしなくなった。長い静寂が続いた」