各国首脳と報道界、仏紙襲撃事件を非難 「言論の自由への攻撃」
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【1月8日 AFP】フランスの風刺週刊紙シャルリー・エブド(Charlie Hebdo)の本社が武装した男らに襲撃され、12人が殺害された7日の事件を受け、バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領をはじめとする各国首脳や報道業界からは、事件を批判するコメントが相次いだ。いずれも同紙本社への襲撃はテロ事件であり、言論の自由に対する攻撃だと厳しく非難している。
オバマ大統領は、「この困難な時に、われわれの思いと祈りは今回のテロ攻撃の犠牲になった人たちと、フランス国民の皆さん方と共にある」とのコメントを発表。デービッド・キャメロン(David Cameron)英首相、アンゲラ・メルケル(Angela Merkel)独首相、カナダのスティーブン・ハーパー(Stephen Harper)首相も事件を非難する声明を発表した。
外国での事件に言及することが少ない英国のエリザベス女王(Queen Elizabeth II)も、事件の犠牲者や被害者、その家族に対し、「心からの哀悼の念をささげる」との異例のコメントを発表した。
また、国連安全保障理事会(UN Security Council)は、この事件を「野蛮で卑劣なテロ攻撃」と強く非難。潘基文(バン・キムン、Ban Ki-moon)国連事務総長は、「メディアと表現の自由に対する攻撃だ」と厳しく批判し、「今こそ世界が連携すべき時だ。われわれは表現の自由と寛容さを維持するために立ち上がり、そして分断と憎しみの力に立ち向かわなければならない」と訴えた。
■メディアからも相次ぐ批判
米民間団体「ジャーナリスト保護委員会(The Committee to Protect Journalists) 」は、今回の事件を「欧州の中心で起きた表現の自由に対する恥知らずな攻撃」と批判。同団体幹部のロバート・マホニー(Robert Mahoney)氏は、「ジャーナリストたちは今こそ立ち上がり、われわれの声を殺人によって封じ込めようとするこのような試みは無意味だとのメッセージを送らなければいけない」と述べた。
一方、国際ジャーナリスト組織「国境なき記者団(Reporters Without Borders、RSF)」のクリストフ・ドロワール(Christophe Deloire)氏は、「マシンガンを使い編集室を襲撃する行為は、イラクやソマリア、パキスタンでわれわれが目撃してきた類の暴力だ」と指摘。「このテロ攻撃は、フランス史に『凶日』として刻まれるだろう」と述べている。
国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)・フランス事務局のステファン・オベレット(Stephan Oberreit)局長は、「ジャーナリスト殺害と表現の自由の抑圧、恐怖の種をまくことを目的とした残虐行為だ」と批判している。(c)AFP