生命居住可能領域内の系外惑星8個を発見、岩石質の可能性も
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【1月7日 AFP】水が液体の状態で存在できる温度を保ち、生命が存在する可能性があるとされる「ゴルディロックス・ゾーン(Goldilocks Zone)」内を公転している系外惑星8個を新たに発見したとの研究論文が6日、米ワシントン(Washington)州シアトル(Seattle)で開かれた第225回米国天文学会(American Astronomical Society、AAS)会議で発表された。
太陽系外でこれまでに見つかっている地球に近い大きさの惑星で、公転している主星の生命居住可能領域内に存在するとみられる惑星の数は、今回の発見で倍増することになる。
米ハーバード・スミソニアン天体物理学センター(Harvard-Smithsonian Center for Astrophysics)などの研究チームが発表した論文によると、今回発見された惑星8個のうちの2個は、既知の系外惑星の中で最も地球に良く似た惑星だという。
論文の主執筆者で、同センターのギジェルモ・トレス(Guillermo Torres)氏は「これらの惑星の大半は、地球のような岩石質である可能性が高い」と話す。
今回の発見は、米航空宇宙局(NASA)のケプラー(Kepler)宇宙望遠鏡による惑星探査ミッションを通じて行われた。
同センターが発表した声明によると、これらの惑星はそのサイズが小さすぎるため質量測定による存在確認ができなかった。そこで研究チームは、統計的に惑星である可能性が高いかどうかを判断するために「BLENDER」と呼ばれるコンピュータープログラムを使用したとしている。
BLENDERについては、「これまでにもケプラーの最も象徴的な一部発見の妥当性を検証するために用いられている。例えば、太陽に似た星を公転している地球サイズの惑星2個や、水星より小型の系外惑星などが初めて発見された際にも活用された」と説明している。
地球に似た他の惑星上に存在する生命の可能性を考えることは興味深いが、今回発見された2個の最も可能性の高い候補は非常に遠くにある。そのため、さらに多くの情報を集めることは大きな困難を伴う。
惑星「Kepler-438b」は、地球から470光年の距離にある主星の周りを公転している。もう一つの惑星「Kepler-442b」は、地球から1100光年離れている。
研究チームによると、Kepler-438bは地球より12%大きい直径を持ち、岩石質である確率は70%という。またKepler-442bは、地球より3割ほど大きく、岩石質惑星である確率は60%だという。
論文の第2執筆者である同センターのデービッド・キッピング(David Kipping)氏は「今回発見された惑星のどれかが本当に生命存在可能かどうかが確実に分かっているわけではない」と述べ、「ただ一つ言えるのは、それらが有望な候補だということだ」と付け加えた。(c)AFP