【1月7日 AFP】トルコ・イスタンブール(Istanbul)の観光地で6日、外国人観光客を装った女が自爆攻撃を行い、警察官1人が死亡した。同市では5日前にも、警察を標的とした攻撃が発生したばかりだった。

 事件はブルーモスク(Blue Mosque)やアヤソフィア博物館(Aga Sophia Museum)といった世界的な観光名所が集まるスルタンアフメット(Sultanahmet)地区。イスタンブール県知事が地元テレビで発表したところによると、女は派出所を訪れ、英語で財布を紛失したと訴えた直後に、携行していた爆発物に点火したという。犯人は死亡した。

 国営アナトリア(Anatolia)通信は、この派出所で観光客の対応要員として勤務中だった警察官のうち1人が大けがをし、搬送先の病院で死亡したと伝えた。また別の警察官1人も軽いけがをしたという。

 トルコ政府はこの事件を、レジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)政権下の「新生トルコ」に対する「凶悪なテロ攻撃」だと非難。警察の勇敢な対応で、より多くの犠牲を払わずに済んだとたたえた。

■極左過激派が関与か?

 同じくイスタンブールで5日前の今月1日、大統領公邸が入っているドルマバフチェ宮殿(Dolmabahce Palace)の外で警官を襲撃した男は、極左組織「革命人民解放党・戦線(DHKP-C)」の構成員とされている。

 1日と6日の事件の直接的な関係を示す公式発表はないが、一部の地元メディアは自爆した20代半ばとみられる若い女もDHKP-Cに所属していたと報じている。

 DHKP-Cはトルコに加え、欧州連合(EU)と米国がテロ組織に指定しているマルクス・レーニン主義系過激組織。近年はトルコ内外で散発的な攻撃を行っており、時には死傷者も出ている。同組織は、2013年2月首都アンカラ(Ankara)の米大使館への自爆攻撃で警備員1人が死亡した事件の犯行声明を出している。(c)AFP/Stuart WILLIAMS