反移民デモ台頭で溝深まるドイツ、名所で「抗議の消灯」も
このニュースをシェア
【1月6日 AFP】ドイツ東部ドレスデン(Dresden)で5日、右派ポピュリスト団体が毎週行っている反移民デモに、過去最多の1万8000人が参加した。
この団体は「西洋のイスラム化に反対する愛国的欧州人(Patriotic Europeans Against the Islamisation of the Occident、PEGIDA)」で、昨年10月から毎週、反移民デモを開催している。
キリスト教会や政財界の指導者らはこのデモを非難。アンゲラ・メルケル(Angela Merkel)首相も国民に対しデモに参加しないよう呼びかけていたが、地元警察によると5日のデモには、前回のクリスマス前のデモの参加者数1万7500人よりもさらに多い1万8000人が参加した。
その一方でPEGIDAに抗議するデモもドイツ各地で同日に開かれ、数千人が参加。PEGIDAの呼び掛けに呼応したデモはドレスデンの他、首都ベルリン(Berlin)、シュツットガルト(Stuttgart)、ケルン(Cologne)でも行われたが、これらの都市では反PEGIDAデモの参加人数が、PEGIDA支持派デモを上回ったもようだ。
ケルンでは、同市を象徴する大聖堂が屋外照明を落としてPEGIDAへの抗議の意を示し、市庁舎や公共施設、歴史建築物なども追随し、次々と明かりを落とした。
反移民デモに反対する人々は、PEGIDAがネオナチ(Neo-Nazi)で用いられる文言を巧妙に包み隠しながら、米国に次ぐ移民受け入れ大国であるドイツで外国人排斥の機運を高めようとしていると非難している。(c)AFP