NYで射殺された警官の葬儀、警官らが市長に背を向け抗議
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【1月5日 AFP】米ニューヨーク(New York)市ブルックリン(Brooklyn)地区で4日、先月勤務中に射殺された警官ウェンジャン・リュー(Wenjian Liu)さん(32)の葬儀が執り行われた。葬儀場周辺の街頭には、全米から集まった警察官数千人が整列し、リューさんを追悼したが、ビル・デブラシオ(Bill de Blasio)市長に対する抗議行動を取る警官も一部で見られた。
リューさんと同僚のラファエル・ラモス(Rafael Ramos)さん(40)は昨年12月20日、パトカーの車内にいたところ、近づいてきたイズマイル・ブリンスリー(Ismaaiyl Brinsley)容疑者(28)に頭部を撃たれ死亡。容疑者はその後、自殺した。黒人の容疑者は犯行前、白人警官によって死亡させられたアフリカ系米国人たちの復讐(ふくしゅう)をすると宣言していたことから、この事件はニューヨークを震撼(しんかん)させた。
デブラシオ市長は、事件の背景にあると黒人らが主張する警察と黒人住民との関係についての発言や、黒人の妻との間にもうけた息子に対し警察官の周りでは細心の注意を払って行動するよう助言したことについて、一部の警官から反発を受けている。先週行われたラモスさんの葬儀では、デブラシオ市長に数百人の警官が背を向けて抗議の意を表明していたことから、リューさんの葬儀でも同様の抗議が行われるのではとの臆測が飛び交っていた。
ニューヨーク市警(NYPD)のビル・ブラットン(Bill Bratton)本部長は、リューさんの葬儀を前に、抗議行動は控えるようにと警官らに呼びかけており、圧倒的多数の警官がこれに従った。だが現場の写真からは、弔辞を述べるデブラシオ市長を映す巨大スクリーンに対し、数十人の警官が背を向けているのがはっきりと見て取れる。(c)AFP/Jennie MATTHEW