【1月2日 AFP】2014年の米国の音楽市場は、全体の販売枚数が減少を続ける中、音楽ストリーミングとアナログレコードの販売が前年と比べてそれぞれ50%増えた。米国の音楽市場では大ヒット曲が減る一方で、ストリーミングが主流になりつつある。

 米市場調査会社ニールセン・サウンドスキャン(Nielsen SoundScan)が12月31日夜に発表したデータによると、14年のアルバム販売枚数は2億5700万枚と、13年と比べて11%減少した。

 だが明るい兆しもあった。近年、音楽愛好家や収集家の間で最適の選択肢とされているアナログレコードの販売枚数だ。前年比52%増で、ニールセン・サウンドスキャンが集計を始めた1991年以降最大の920万枚となった。とはいえ、レコードの販売枚数は依然、CDやレコードなどの物理媒体の販売枚数の6%にしか満たないのも事実だ。

「スポティファイ(Spotify)」などのストリーミングサービスは前年から54%増え、音楽と動画を合わせて1億6400万ストリームとなった。

 一方、CD販売とダウンロード数はいずれも減少した。ダウンロードは13年と同じくアルバム販売枚数全体の41%を占めた。

■ストリーミングの経済効果は賛否両論

 ストリーミングは音楽業界に変化をもたらしている。スポティファイや他社の競合サービスでは、登録すれば曲数無制限のオンデマンド音楽視聴が可能だ。

 ストリーミングに批判的な人は、ストリーミングにより消費者にアルバムを買う動機がなくなり、最終的にはアーティストが損害を受けると主張しているが、一方のスポティファイは、長らく低迷傾向にある音楽業界にストリーミングが新たな成長要因をもたらしたと指摘する。

 スポティファイ批判の急先鋒の1人は、米歌手テイラー・スウィフト(Taylor Swift)だ。スウィフトはスポティファイから全ての楽曲を取り下げている。

 ニールセン・サウンドスキャンの集計によれば、スウィフトの最新アルバム「1989」は、10月末に発売されたにもかかわらず、12月28日までに360万枚を売り上げ、今年のアルバム販売枚数トップとなった。(c)AFP