【1月2日 AFP】中国・上海(Shanghai)市当局は2日、大みそかに36人が死亡した外灘(バンド、Bund)での将棋倒しについて、犠牲者の大半が若い女性だったことを明らかにした。

 事故の現場近くにある陳毅(Chen Yi)像前には2日、100人ほどの人びとが集まり、犠牲者を追悼する献花を行った。

 市当局が2日に発表した犠牲者リストによると、犠牲者のうち4人を除いて全員が25歳以下で、また21人が女性だった。最も年齢が高かった犠牲者は37歳だった。

 これまでに身元が確認された死者32人のうち、最年少は12歳の毛勇捷(Mao Yongjie)君だった。中国誌「財新(Caixin)」によると、勇捷君は押し寄せる人の波の中で母親とはぐれたという。

■市に対策求める声

 警察当局は「普段より多い」700人の警官を動員したと発表しているが、上海の人々は、市当局がどうして群衆を管理できなかったのかと疑問を投げかけている。

 インタビューに答えたタクシー運転手は、「上海市当局が事故の責任をとるべきだ。若い犠牲者らが唯一の子どもだった家族も多いはずだ」とコメントした。

「とても悲しい。こういったイベントの際には政府がもっとちゃんと安全管理してくれることを願う」と友人の姉妹が亡くなったという大学生は、追悼会場に献花しながら語った。

 事故当初、米ドル紙幣のような紙がビルから撒かれ群衆が殺到したとの情報がインターネットやメディアで流れたが、警察当局によるとこの紙が撒かれたのは将棋倒しが起きた12分後で、また現場の広場から60メートル離れた場所だった。この紙については、外灘にあるナイトクラブ「M18」の宣伝だったということも分かっている。

 上海市当局は2日、公式マイクロブログアカウントで、負傷者が2人増え、49人になったと述べた。(c)AFP