【12月30日 AFP】ギリシャ沖のアドリア海(Adriatic Sea)で28日早朝、イタリア船籍のフェリー「ノーマン・アトランティック(Norman Atlantic)」号で発生した火災の死者数は、翌29日までに10人となった。乗船名簿からこの犠牲者10人と救出された生存者を除外すると、今も41人の行方が分かっていない。

 しかしこの41人が死亡しているのか、あるいはフェリーを運航していたギリシャの会社が火災発生当日に公開した乗船名簿そのものに記載ミスがあったのか、今のところ明らかになっていない。

 イタリアのマウリツィオ・ルピ(Maurizio Lupi)インフラ・運輸相は、乗船名簿と犠牲者・生存者の数の食い違いについて、名簿のミスなのか、乗船を予約しながら当日乗らなかった利用者がいるのか、またはギリシャのイグメニツァ(Igoumenitsa)に寄港した際に下船したのか判明していないとし「名簿と生存者の照会は出発港の責任だ。われわれ(当局)は正確な人数を把握しようがないので(捜索)活動を継続している」と述べた。

 ルピ氏によると、冬の嵐で例年になく荒れている海上での24時間に及ぶ救出活動により、427人がヘリコプターで安全な場所に搬送された。イタリア海軍は当面、アルバニアに近い海域に残っている同船付近で捜索を継続している。(c)AFP/Francesco MONTEFORTE