【12月27日 AFP】ヨルダン軍のF16戦闘機がシリアのラッカ(Raqa)に墜落し、脱出したパイロットが同地を支配しているイスラム教スンニ派(Sunni)の過激派組織「イスラム国(Islamic StateIS)」に拘束されたのは、戦闘機の「技術的なトラブル」が原因だったと、複数の活動家が26日、AFPに明らかにした。

 ラッカで活動しているある活動家はインターネットを通じてAFPに対し、戦闘機は最初は高空を飛行してれんが工場を空爆していたが、いったん視界から消えて再び見えるようになった時には「煙を出しながら低空を飛んでいた」と語り、「私は技術的なトラブルだったと思う」と述べた。ラッカにいる別の活動家も同様の内容を語った。

 非政府組織(NGO)のシリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)のラミ・アブドル・ラーマン(Rami Abdel Rahman)代表は、現地にいる複数の情報源の話として、技術的なトラブルに見舞われて低空を飛行していた戦闘機にイスラム国の戦闘員が重機関銃や肩掛け式のミサイルを撃ったが、パイロットは技術的なトラブルで高度を上げることができなくなった時点で脱出していたと述べた。ラッカにいるさらに別の活動家も、低空を飛行していた戦闘機にイスラム国側の撃ったものが当たったと述べた。

 これらの話が伝えられる数時間前にヨルダン軍は、戦闘機を撃墜したというイスラム国の主張を否定していた。米軍は24日、イスラム国が戦闘機を撃墜したのではないことを明確に示す証拠があると発表していた。(c)AFP