【12月26日 AFP】極右政党の台頭で政府が難しいかじ取りを迫られているスウェーデンで、クリスマスの25日にイスラム教のモスク(礼拝堂)が放火され、5人が負傷した。

 警察発表によると、放火されたのは中部エシルストゥーナ(Eskilstuna)のビル1階にあるモスクで、25日正午過ぎに何者かが窓から物体を投げ込んだ後、内部で火の手が上がった。当時、モスク内には15~20人がいたという。

 移民に寛容な政策をとってきたスウェーデンでは今月初め、反移民を掲げる極右政党のスウェーデン民主党(Sweden Democrats)が政府予算案の承認を拒否。議会は解散に追い込まれ、国民は政局が新たな展開を迎えたという現実に直面している。

 今年1月には首都ストックホルム(Stockholm)で、モスクの正面玄関の扉にナチス・ドイツ(Nazi)を象徴する黒いかぎ十字が描かれる被害があったほか、昨年12月にはストックホルム郊外で穏やかに行われていた反人種差別デモがネオナチグループの襲撃を受け、3人が病院に搬送される事件が起きている。(c)AFP