原油下落にもかかわらずサウジアラビアが歳出増、15年度予算案
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【12月26日 AFP】サウジアラビアが25日、1450億リヤル(約4兆6000億円)の大幅な赤字をともなう2015年度予算案を発表した。
発表された15年度の歳出は8600億リヤル(約27兆6000円)、歳入は7150億リヤル(約23兆円)。サウジアラビアは原油価格の下落に対策を打たないとの方針を示しており、その影響が出始めているにもかかわらず、これまでの原油収入で蓄えた巨額な資金を活用して予定通りの歳出とした。サウジアラビアが赤字予算を組むのは2011年以来。赤字幅は同国史上、最も大きくなる。
2014年度の歳入は2789億ドル(約33兆5000億円)で予測を22%上回った。だが、歳出は前年度から約330億ドル(約4兆円)増の2933億ドル(約35兆2500億円)で同国史上最高だった。 歳出増の要因は、聖地メッカ(Mecca)とメディナ(Medina)の大規模な拡張プロジェクトや、開発と対外援助への支出増。
専門家らは、サウジアラビアは過去10年間、歳出が当初予算を20%以上も上回る状況が続いており、この傾向が来年も続けば赤字幅は拡大するだろうと話している。エコノミストのアブドルワハブ・アブ・ダヘシュ(Abdulwahab Abu-Dahesh)氏は、歳入は予算を下回るとみられるため、実際の赤字は2000億リヤル(6兆4000億円) 程度になるだろうと述べた。
サウジアラビアの財政収入の約90%を占める原油の価格は、過剰供給や世界的な需要の減少、米国ドル高により6月以来約50%下落している。(c)AFP