【12月26日 AFP】ロシアの黒海(Black Sea)沿岸の港湾都市トゥアプセ(Tuapse)の近くで石油パイプラインから油が流出し、同市当局は25日、非常事態を宣言した。

 ロシアの大手パイプライン建設企業トランスネフチ(Transneft)の子会社によると、トゥアプセ市近くのパイプラインが23日遅くに破裂した。

 同社は声明で、パイプラインが地滑りのため破損し、黒海に流れ込んでいるトゥアプセ川に8.4立方メートルの油が流出したと発表した。しかし環境保護活動家たちは、実際の流出量はトランスネフチの発表の100倍近くに上る恐れがあるとしている。

 トランスネフチによると、パイプラインの破損部分は黒海沿岸から約9キロ離れている。ロシア国営石油会社ロスネフチ(Rosneft)の子会社が建設している最中で、トランスネフチはまだ使用していなかったという。

 ロシアの海上・河川輸送庁によると、汚染除去作業が開始されたのは24日だが、暴風雨のため舟艇は使用できなかったという。

 世界自然保護基金(World Wide Fund for NatureWWF)は25日、油はすでに黒海沿岸を15キロにわたり汚染していると述べ、被害の規模を過小評価し迅速な措置を取らなかったとして、トランスネフチとロスネフチを非難した。(c)AFP