【12月25日 AFP】イラク北部クルド人自治区の主要都市アルビル(Arbil)では24日、イスラム教スンニ派(Sunni)の過激派組織「イスラム国(Islamic StateIS)」の攻撃を逃れてきたキリスト教徒の避難民たちが、悲しみに彩られたクリスマスイブを迎えた。

 イラクでは今年の夏、イスラム国が制圧した第2の都市モスル(Mosul)から多くのキリスト教徒が脱出し、アルビル周辺で避難生活を送っている。イスラム国の掌握する地域ではキリスト教徒に対する迫害が拡大しており、国際社会から非難の声が上がっている。

 ローマ・カトリック教会のフランシスコ(Francis)法王は24日、アルビル近郊のアンカワ(Ankawa)避難民キャンプに暮らすキリスト教徒たちに衛星電話をかけ、励ました。伊AGI通信によると法王は「兄弟たちよ、私の心はあなた方の傍らにある」と語りかけたという。

 キリスト教の一派であるカルデア・カトリック教会(Chaldean Catholic Church)のルイス・サコ(Louis Sako)総大司教によると、イラクでは推計15万人のキリスト教徒が苦しい避難生活を送っているという。(c)AFP