【12月25日 AFP】米IT大手のグーグル(Google)とマイクロソフト(Microsoft)は24日、ハッカーからの脅迫を理由に一時は公開中止に追い込まれたコメディー映画『ザ・インタビュー(The Interview)』を自社運営プラットフォームで公開し、同映画を製作した米映画製作大手ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント(Sony Pictures Entertainment)に協力する姿勢を示した。

 グーグルのデービッド・ドラモンド(David Drummond)最高法務責任者はブログへの投稿で、「あらゆる問題について協議した結果、ソニーとグーグルは、この件を座視し一握りの人々に他国の言論の自由の限界を決めさせるわけにはいかないとの見解で一致した──そのコンテンツがいかにばかげているかもしれなくとも」と述べた。

 一方、マイクロソフトのブラッド・スミス(Brad Smith)法務顧問もブログへの投稿で、「ある人の権利に対するサイバー攻撃は、全ての人の権利に対する攻撃と同じだ。われわれはこれを守らなければいけない」と表明。「熟慮の結果、サイバーテロリストらに対する表現の自由の勝利を確実なものにするため、ソニーと共に立ち上がり、その他の関係者とも協力することを決めた」と説明した。

 映画のネット公開により、グーグルとマイクロソフトのプラットフォームが、サイバー攻撃でソニー・ピクチャーズに大きな被害をもたらしたハッカーらの標的となる可能性もある。

 米国内ではすでに、インターネットを通じた『ザ・インタビュー』の公開が始まっている。カリフォルニア(California)州では24日午前(日本時間25日未明)から、グーグルのオンラインストア「グーグルプレイ(Google Play)」や同社傘下の動画共有サイト「ユーチューブ(YouTube)」、マイクロソフトの映像配信サービス「Xbox Video」、そして専用ウェブサイト「seetheinterview.com」で、同映画の高解像動画が5.99ドル(約720円)でレンタル可能となった。デジタルコピーは14ドル(約1680円)で購入することができる。

 ソニー・ピクチャーズのマイケル・リントン(Michael Lynton)会長兼最高経営責任者(CEO)は報道発表で、「言論の自由を阻止しようとする者たちによる、自社の業務や従業員たちへの攻撃があったことから、わが社にとってこの映画の公開は特に重要だった。その実現を支援してくれたグーグルとマイクロソフトに感謝している」と述べた。(c)AFP