【12月24日 AFP】ヘビ、カメレオン、イグアナ、ヤモリなどの爬虫類をペットとして所有することで、幼い子どもがサルモネラ菌感染のリスクにさらされる恐れがあるとの研究論文が、22日の英医学専門誌「小児期疾患アーカイブス(Archives of Disease in Childhood)」に掲載された。

 英ロイヤル・コーンウォール病院(Royal Cornwall Hospital)のダン・マーフィー(Dan Murphy)氏率いる研究チームは、3年間で確認された5歳未満の子どものサルモネラ感染症患者175人のうち、27%が爬虫類のペットを所有する家庭で発症したものであることを突き止めた。

 サルモネラ菌は、人間に感染すると胃腸炎、大腸炎、血液感染、髄膜炎などを引き起こす恐れがある細菌だ。

 だが爬虫類はサルモネラ菌の影響を受けないため、爬虫類の腸内に生息し、排せつ物で伝染する。

 このことは、ペットの爬虫類が家の中を自由に歩き回れる場合にリスクとなり、その家の子どもがハイハイしたり、ものの表面をなめたりする段階にある場合は特に大きなリスクをもたらす。

「爬虫類に関連するサルモネラ菌(RAS)」で病気になる子どもの平均年齢は、生後6か月だと論文は指摘。また「RASは、入院や疾患などの深刻な結果に関連している」と述べている。

「室内でペットとして飼育される爬虫類の数が増えている現状を加味すると、RASによる入院の発生率が増加する可能性はさらに高くなる。一般開業医や小児科医などの医療従事者は、このリスクを認識しておく必要がある」

 2004年の米国の研究では、実験室検査で確認された21歳未満のサルモネラ感染患者全体の21%がRASに起因すると推定されている。(c)AFP