【12月24日 AFP】現代美術家ジェフ・クーンズ(Jeff Koons)氏の作品が、フランス服飾ブランドの広告を盗作したとの疑いが浮上し、仏パリ(Paris)のポンピドー・センター(Pompidou Centre)で開催されている回顧展での展示が中止となった。同美術館が23日、明らかにした。

 問題となった作品「Fait d'Hiver」は、ブタとペンギンが、メッシュのトップで胸をあらわにして雪の上に横たわる女性の胸像のそばに立っているというもので、フランスの服飾ブランド、ナフナフ(Naf-Naf)の1985年の同名の広告に似ているという。

 ナフナフの広告では、雪崩に巻き込まれて横たわる若い女性にラム酒のたるを首から下げた1匹のブタが鼻を近づけている様子が描写されていた。雪山でのセントバナードをブタに置き換えたものだ。

 クーンズ氏によるこの磁器の作品では、同じく首からたるを下げたブタが、やはり横たわる女性に近づく様子が描かれている。

 ポンピドー・センターのアラン・セバン(Alain Seban)館長は声明を発表し、同作品の展示中止については「貸出人の要請によるもの」と強調。またクーンズ氏を弁護しながら、同氏の「Banality」シリーズをめぐっては、「同様の疑問」が米国でも生じたことを説明した。

 同作品には4エディションあり、そのうちの1点は米ニューヨーク(New York)のクリスティーズ(Christie's)が2007年に開催した競売で約300万ユーロ(約4億4000万円)で落札されている。(c)AFP