【12月22日 AFP】HIV(ヒト免疫不全ウイルス)に感染した8歳の少年の追放を求め、中国・四川(Sichuan)省の村で村民200人が嘆願書に署名した問題が前週明るみに出たが、中国政府はこの少年に医療と生活費を提供することを約束した。

 この村では「村人の健康を守る」ためとして、この少年の保護者である実の祖父を含む約200人が嘆願書に署名。国営英字紙チャイナ・デーリー(China Daily)によると、中国メディアが「クンクン」という仮名で呼ぶこの少年は、受け入れる学校も見つからず教育も受けていなかったため、政府は教育についても約束した。

 また中国保健省は、差別を禁止する政策に違反している場所がないか、全国的に調査を行うとしている。22日の時点では、クンクン君がいまだに村から追放されようとしているのかどうか、確認されていない。

 この一件について国連(UN)は「深い憂慮」を表明。HIVの感染者に対する差別が広範囲でみられる中国では大きな議論が起こり、感染者に向けられる偏見を浮き彫りにした。(c)AFP