【12月22日 AFP】内部告発サイト「ウィキリークス(WikiLeaks)」は21日、情報員が偽造書類を使い出入国する際に正体を見破られないためのアドバイスを記した米中央情報局(CIA)の機密文書2件を公表した。

 CIAの文書は2011年と12年に発行されたもので、機密扱いであることが明記されているほか、同盟国の情報機関の閲覧不可を意味する「NOFORN」と記載されているという。

 文書は、空港や国境の検問で追加検査対象とならないための方法を列挙している。その中には、「出発前日に片道の航空券を現金で買うようなことはしない」といった分かりきったものもあれば、「外交旅券を所持している時は、だらしない身なりは避ける」といったものもあった。

 実際の事例として、乗り継ぎで早朝に欧州の空港を利用したCIA情報員が、追加検査を受けたことを挙げ、「その理由は明らかにされなかったが、服装が外交旅券所持者に見合わないほどラフすぎたことが原因の可能性がある」と説明。さらに、情報員の手荷物からは爆発物の残留物が検出されたが、係員の尋問に対し、米国で対テロ訓練に関わっていたという作り話を終始一貫して説明し続け、最終的には拘束を解かれ旅を続けられたという。

 この事例から、CIAは「追加検査を避けたり、乗り切ったりするためには、一貫性があり、もっともらしい作り話を事前に十分に練習しておくことが重要だ」と記している。

 だがウィキリークスは、この事例について「爆発物に対する説明としてCIA情報員が語った訓練がでっち上げだったならば、この情報員が爆発物の痕跡がある荷物を持って欧州の空港を通過しようとした目的は何だったのか。そして、この情報員はなぜ旅を続けることを許されたのか」と疑問を呈している。(c)AFP