【12月22日 AFP】イタリア中部フィレンツェ(Florence)一帯で、先週末にかけた3日間で250回を超える弱い地震が発生し、ルネサンス期の巨匠ミケランジェロ(Michelangelo)の代表作「ダビデ像」が損傷する懸念が持ち上がっている。

 イタリア国立地球物理学火山学研究所(National Institute of Geophysics and VolcanologyINGV)によると、最も強かった2回の地震はフィレンツェとシエナ(Siena)の中間に位置するキャンティ(Chianti)で19日に観測されたもので、マグニチュード(M)は3.8と4.1だった。20日朝にも多数の地震が観測されたが、規模はいずれもM3.0~3.5程度だった。

 短期間に地震が多発したことにより、フィレンツェが誇る歴史的建造物や芸術作品に被害がおよぶ可能性への懸念が浮上している。ダリオ・フランチェスキー二(Dario Franceschini)文化相は20日、観光客に人気の高いダビデ像の台座に国家予算20万ユーロ(約2900万円)を投じて耐震対策を施すと発表した。

 ルネサンス期の傑作と称されるダビデ像は、既にひびが入っていた重さ約5トンの大理石を彫り込んで作られたもので、今春に発表された調査結果で、両脚にある「微細な亀裂」が広がり倒壊する恐れがあると指摘されていた。(c)AFP