【12月22日 AFP】イスラム武装勢力「パキスタンのタリバン運動(Tehreek-e-Taliban PakistanTTP)」の襲撃により149人が殺害されたパキスタン北西部ペシャワル(Peshawar)の学校で21日、市内外から訪れた数千人が花を手向けるなどして犠牲者を追悼した。事件を受け、ナワズ・シャリフ(Nawaz Sharif)首相は、6年間にわたり停止していた死刑執行をテロ関連事件に限り再開すると発表。当局は19日にTTPのメンバー2人の死刑を執行し、さらに21日にもパンジャブ(Punjab)州で4人を処刑した。

 国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチ(Human Rights WatchHRW)は20日、死刑執行は「ペシャワルの事件に対する臆病な政治的反応」と非難し、死刑執行の中止を要求。また国連(UN)も、パキスタン政府に再検討を呼びかけている。

 一方、チョードリー・ニサル・アリ・カーン(Chaudhry Nisar Ali Khan)内相は、首都イスラマバード(Islamabad)郊外で約300人の容疑者が逮捕され、パキスタン全土で約4000件の強制捜査が実施されたことを明らかにした。

 TTPによる学校襲撃は、TTPとゆるやかなつながりを持つアフガニスタンの旧支配勢力タリバン(Taliban)からも非難されている他、国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)の南アジア支部も21日の声明で遺憾の意を示し、治安当局だけを標的にするよう他の武装勢力に対し呼びかけた。(c)AFP/Shaukat Khattak