【12月17日 AFP】スウェーデンとデンマークの沖合で今年、鳥インフルエンザの流行によりアザラシ約3000頭が死んだ恐れがあると、スウェーデン当局が16日、発表した。ドイツ当局も先月、同様の報告をしていた。

 スウェーデン海洋・水管理庁(Swedish Agency for Marine and Water Management)は声明で「スウェーデンとデンマークの海域で今年に入ってから現在までにゼニガタアザラシ約3000頭が死んだ。これらのアザラシはH10N7型の鳥インフルエンザウイルスに感染した可能性がある」と述べた。

 ウイルスが初めて検出されたのは今年4月、スウェーデン南西部のイエーテボリ(Gothenburg)沖で見つかった病気のアザラシやアザラシの死骸からだった。海洋・水管理庁によると、死んだアザラシの数は当初想定していたよりもはるかに多かったという。

 10月時点では、ウイルス感染で死んだアザラシの数は700頭ほどと推定されていた。だが現在、専門家らは、死んだアザラシの大半が海に沈んだため、死んだ個体数の推定は困難だと考えている。

「感染したアザラシの個体数や感染の広がり度合いについて、われわれはまだ全体像を把握していない」と、海洋・水管理庁の生物学者は語った。

 スウェーデン海洋・水管理庁は、スウェーデン海域のアザラシの大半がウイルスに感染したものの、抗体を作り身を守ったアザラシが多かったとみている。

 スウェーデンには推定1万頭のアザラシが生息している。

 11月末、ドイツ北部のシュレスウィヒ・ホルシュタイン(Schleswig-Holstein)州当局は、推定生息数1万3000頭のアザラシのうち、1600頭が鳥インフルエンザウイルスに感染し死んだと報告していた。

 ノルウェーやオランダでも、鳥インフルエンザに関連したアザラシの死の報告が出ている。(c)AFP