【12月17日 AFP】カンボジアの保健当局者は16日、同国西部バタンバン(Battambang)州の辺境の村で子どもやお年寄りを含む80人以上にAIDS(エイズ、後天性免疫不全症候群)/HIV(ヒト免疫不全ウイルス)の陽性反応が出たのは、汚染された注射針による感染が原因である可能性があると述べた。

 先週、大量感染が報道されると、パニックになった住民数百人が保健所に殺到した。国家エイズ対策局の事務局長はAFPに対し、「検査を受けた556人のうち、72人にAIDS/HIVの陽性反応が出た」と述べ、そのうち14人は子どもだった付け加えた。

 事務局長は、これは通常より高い罹患率であり、注射針などの使い回しが原因かもしれないと述べたが、これは暫定的な結論であり、もっと多くの証拠を集めているところだと語った。

 AFPの電話取材に応じた地元のHIV/AIDS対策部長によると、16日には州内の医療センターにさらに住民が検査に訪れ、新たに10人の感染が確認された。感染が確認された人は合計で82人になった。村人らは、感染の原因は地元の開業医による注射だろうと話しているという。

 カンボジアはHIV/AIDS対策で高い評価を受けてきており、国家エイズ対策局によると2013年に0.6%だった同国の15~49歳のHIV感染率は2014年には0.4%に下がっていた。現在、カンボジアには推定7万3000人以上のHIV感染者がいるとされている。(c)AFP