【12月16日 AFP】米中央情報局(CIA)が「テロとの戦争」で拘束した容疑者たちに行っていた過酷な尋問について、米国人の約半数は正当なものだったと考えていることが15日に公表された調査結果で明らかになった。

 調査は、CIAによる拷問の実態を暴いた米上院情報特別委員会(Senate Intelligence Committee)の報告書が今月9日に公表されたことを受けて、米世論調査機関ピュー・リサーチ・センター(Pew Research Center)が今月11~14日、成人1001人を対象に実施した。

 上院特別委の報告書は、CIAが2001年9月11日の同時多発テロ以降、国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)のメンバーとされた容疑者らに行ってきた殴打、直腸からの補水、睡眠の剥奪など、尋問の残酷さは予想を超えており、有益な情報ももたらさなかったと断じている。

 報告書で明らかになったCIAのおぞましい尋問手法に、国際社会からは非難や関係者の訴追を求める声があがっている。

 だがピュー・リサーチ・センターの調査結果によれば、米国内では51%の人々がCIAの尋問手法は正当なものだったと答え、56%がこの手法によって「テロ攻撃」の阻止に有益な情報がもたらされたと考えていた。CIAの尋問手法は正当なものではなかったと回答した人は29%だった。

 上院特別委が報告書を公表したことについての是非は分かれ、公表は正しかったとの回答が42%、公表すべきでなかったとの回答が43%で、分からないとの回答は15%だった。(c)AFP