【AFP記者コラム】「ヴィクトリアズ・シークレット」ファッションショーの舞台裏
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【12月15日 AFP】もうすぐクリスマスだが、私のサンタは少し早めに来たようだ。 英ロンドン(London)で2日に開催された、米ランジェリーブランド「ヴィクトリアズ・シークレット(Victoria's Secret)」のファッションショーだ。
ロサンゼルス(Los Angeles)で2006年と2007年に行われた同ショーを取材した同僚から、カメラマンにとって真剣に臨むべきイベントだと聞いていた。被写体は華やかだが、軽い気持ちでやる仕事ではないと。
スーパーモデルたちのセクシーなランジェリー姿の写真は、AFPと契約を結ぶ報道機関に大人気なのだ。AFPが昨年のショーで撮影した200枚の写真は、トータルで5500件以上もダウンロードされた。アカデミー賞で配信される1500枚のダウンロード枚数の約半分、あるいはテニスの全仏オープンの開催期間2週間分にあたるダウンロード数だ。
「たった一夜のあいだに、ハードニュースの数か月分のダウンロードが行われる」と、前出の同僚は言う。「いいか悪いかはわからないが、それがこの仕事の現実だ」
さらに、ショーの日が近づくにつれ、上司やそのまた上司からメールが続々と届き、このイベントがAFPの売上高においてどれだけ重要かということを実感した。失敗は許されない仕事だった。
ヴィクトリアズ・シークレットのショーは――確かに被写体は美しいものの――カメラマンがドウツェン・クロース(Doutzen Kroes)などのスーパーモデルとソファに座って談笑しながらゆっくり撮影できるような日ではない。超高速で走り抜ける1日だ。会場へのプレスパスをもらい、登録し、バックステージのメーキャップ風景を撮影し、最初のショーを撮り終わったら外に急いで出て、次のショーを見に来たVIPゲストたちを撮影する。その間に随時、会社で待機している編集者に撮った写真を送らなくてはならない。
ロンドンやミラノ(Milan)のファッションウィークを撮影した経験はあったが、ヴィクトリアズ・シークレットのショーは初めて。どのレンズを持っていけばいいかわからず、結局すべて抱えて、歩くカメラショップのような状態で会場へ向かった。