豪シドニーのカフェで人質事件、窓にイスラム教の旗
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【12月15日 AFP】(一部更新)オーストラリア・シドニー(Sydney)中心部で15日、何者かがカフェの店内に人質をとって立てこもり、窓にイスラム教の旗を掲げた。政府機関の庁舎や大手企業の本社がある現場一帯は、治安当局により封鎖された。
現場となった同市の商業地区にあるマーティン・プレース(Martin Place)は閉鎖され、多数の警官がリンツ・ショコラ・カフェ(Lindt Chocolat Café)の周りを取り囲んだ。地元テレビ局は、黒地に白いアラビア語の文字が書かれた旗が窓に掲げられている様子を放送した。旗には「アラーの他に神はなし。ムハンマドはアラーの使徒である」と書かれており、イスラム教のシャハーダ(信仰告白)とみられる。
メディア各社の報道では、店内にいる人数は十数人~50人とされている。腕を上にあげるしぐさを見せる人も数人確認された。トニー・アボット(Tony Abbott)首相は、単独犯による犯行を示唆し、「犯人の動機は分からない。政治的動機があるかは不明だが、その可能性を示す兆候はある」と述べた。
また、カフェに近い観光名所「オペラハウス(Opera House)」でも不審物が原因とみられる騒ぎがあり、警察が出動して周辺の人を避難させた。
カフェの向かい側に編集室がある豪民間テレビ局チャンネル7(Channel Seven)のプロデューサー、パトリック・バーン(Patrick Byrne)氏は、職員たちが事件発生時の様子を目撃したと、豪公共放送ABCに語った。「みんなで窓に駆け寄ると、カフェの中にいる人たちが窓ガラスに両手を押しつけるショッキングで恐ろしい光景が見えた」という。
人質事件が起きたマーティン・プレースはシドニーの金融中心地で、ニューサウスウェールズ(New South Wales)州のマイク・ベアード(Mike Baird)州首相の事務所や豪中央銀行にあたるオーストラリア準備銀行(Reserve Bank of Australia)、ウエストパック銀行(Westpac Bank)、オーストラリア・コモンウェルス銀行(Commonwealth Bank of Australia)などがある。
オーストラリアでは、イラクやシリアでイスラム過激派グループの戦闘に加わったオーストラリア人が帰国後に事件を起こす可能性があるとの懸念を政府が表明し、警戒態勢が強化されていた。(c)AFP/Martin PARRY