【12月14日 AFP】地球温暖化対策の新たな枠組みを話し合うため、南米ペルーの首都リマ(Lima)で開催されていた国連気候変動枠組み条約(UN Framework Convention on Climate ChangeUNFCCC)第20回締約国会議(COP20)は14日、各国が提出する温室効果ガス削減目標の形式で合意に達した。

 12日間の日程で行われていた会議は今月12日に閉幕する予定だったが、先進国と発展途上国の間で対立が続いたため協議を継続し、会期延長2日目に入っていた。

 来年12月に仏パリ(Paris)で開催される第21回締約国会議(COP21)で採択される予定の新たな国際的枠組みの基礎となる広範な青写真も承認された。COP20の議長を務めるペルーのマヌエル・プルガル・ビダル(Manuel Pulgar-Vidal)環境相が「文書は承認されました」と述べると、疲れ切った各国の代表者たちから歓声と拍手が沸き起こった。

 2020年に発効する予定の新たな枠組みは、気温上昇を産業革命以前の水準から2度以内に抑えることを目標としており、史上初めて世界の全ての国が参加する、環境問題の歴史の中で最も野心的なものになると想定されている。しかし、先進国と途上国の意見の違いを埋めるため、今回の会議でかなりの妥協がなされたことで、パリで採択される枠組みの実効性が弱まる恐れもあると指摘されている。

■途上国と先進国の立場の違い

 発展途上国は二酸化炭素の排出量について、何十年も前から繁栄と引き換えに環境を汚染してきた欧米各国がより大きな削減を行うべきだと主張し、先進国は排出量の削減を約束するだけでなく、温暖化対策の強化に途上国が必要とする資金拠出と支援も確約すべきだと主張している。

 一方で先進国は、急速な経済成長を遂げている中国やインドなど一部の途上国が、火力発電の燃料として大量の石炭を燃やしていることを非難している。

■米国の危機感表明の翌日に合意

 会期延長1日目の13日は議論のこう着状態を打開できなかったことから、米国のトッド・スターン(Todd Stern)気候変動担当特使は「これまでの成果の全て、今後に達成を目指しているものの全てが危険にさらされることになる」と述べ、今回のリマ、来年のパリでのCOPの成功、そして国際レベルで効率的に気候変動に対応するための組織としてのUNFCCCの将来がかかっていると警鐘を鳴らしていた。(c)AFP